International Year of Mountains 2002 Japan
8.山岳地域の女性
佐藤真帆(FAO国際山岳年調整ユニット)
山岳地域の女性が抱える問題はおそらく一般に開発途上国の女性がもつそれとほとんど同様のものですが、山岳地域の標高、急な傾斜そして孤立した地理条件が女性の生活をさらに厳しいものにしています。
女性は、農業生産、資源管理、家事の中で大変重要な役割をもち、山岳集落の持続的な発展にとって不可欠な存在です。女性は、たいてい男性よりも多くの仕事量を抱えています。女性は男性と公平かつ平等に農業または牧畜のための仕事を分担する上に、水、燃料を集め、食材の下ごしらえ、料理、子育ても行わなければなりません。森林資源の減少、環境の悪化のため彼女たちは、薪を求めて大変長い距離を歩くことを強いられています。女性の仕事環境は、限られた資源へのアクセス、現金収入を得るための職を求めて下流地域へ向かう男性の不在等の様々な理由のため過酷なものとなっています。さらに、多くの場合、女性は経済的な独立性をもたず、保健衛生や教育のサービスを獲得する機会も限られています。
集落の生存のために、男性は商業の取り引き、労働に出かけなければなりません。この間、農場と家庭の維持を任される女性は、保障、農業技術の普及その他のサービスへの権利がほとんどないままそこに残されるのです。女性は、土地、樹木、水その他の自然資源の所有権及び使用権をほとんど持つ事がありません。女性はそのほとんどの農業労働に貢献しているにも関わらず、その管理を行う資格を与えられていないのです。従来から、新しい農業技術の普及は、土地の所有権を持つ人にのみ行われ、女性はその対象外とされてきました。女性が所有する農業や資源管理に関する伝統的な知識は生かされることがありません。
世界中の開発途上国において、女性は、教育の機会の不足等から、様々な意思の決定への参加を妨げられてきました。しかしながら、山岳地域の集落でリーダーシップをとり活躍する女性の数は徐々に増えてきています。10月1〜4日、ブータンに世界中からこのような山岳地域の女性、政策策定者や研究者等約150人が集まり彼女たちの抱える課題、経験について情報の交換、議論を行うとともに、将来につながるネットワーク作りがなされることとなっています。詳しい情報はhttp://www.mtnforum.org/women/をご覧ください。
国際山岳年ホームページ:http://www.mountains2002.org
佐藤 真帆---------------------------
さとう まほ:平成8年より農林水産省林野庁本庁及び東北森林管理局青森分局に勤務。平成12年11月より国連食糧農業機関(FAO)林業局森林資源部勤務。国際山岳年調整ユニットにおいて、各加盟国・機関における活動の促進及びこれに関する情報収集、山岳地域の持続可能な開発のための政策策定の支援等に携わっている。
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